それから更に月日は流れ
引越し先での生活にも慣れてきて、
友達もけっこうできて、私はそれなりに毎日を楽しく過ごしていた。
そんな
中学に上がった年の冬のことだった。
「ユキちゃんのお母さんが
亡くなった……?!」
私の おばあちゃんは電話の向こうで
泣きながら、
原因不明の火事だと答えた。
火事があったのはユキちゃんとそのお母さんが住んでいた団地で、
中にいた他の住人の人たちも助からなくて、
団地は全焼したという。
沢山の人が亡くなった中
たった一人生き残ったユキちゃんは
背中から腰にまで火傷のあとが残り、
精神的なショックが大きくて、葬儀にも出られない状態だったらしい。
体に力が入らなくて
私は受話器を持ったまま その場に座り込んだ。
おばあちゃんに、
ユキちゃんは今どうしているのかと聞くと
療養のために海外の病院に入院することに
なったと おばあちゃんは言った。
それからずっと
ユキちゃんとは一切 連絡がつかなくなった。
……これで私の友達の話は終わりです。
しょっぱなから 暗い話をしてしまって
本当に申し訳ない。
でもこのユキちゃんとの思い出は
この話をする上で
かなり深く関わってくるんだ。
多分これから明るい話になっていくと
思うから!
それではお待たせしました。
次のページから本題に入るよ。