だけど その前に、
まずは私の大事な友達の話をしておく
必要がある。
とりあえず その話をしてから本題に入ろうと思う。
――もう十年くらい前の話になるのかな。
私には
ユキちゃんっていう友達がいた。
名前のとおり、雪みたいに白くて
可愛い子だった。
お互いの母親どうしが仲良しで、
物心つく前から一緒に遊んで育ったらしい。
私が住んでいた町は山奥の小さな田舎町で、
子供の数が少ないから小学校に上がる頃には
町のほとんどの子供が友達だったりするん
だけど、
大人しくて皆より少し体が小さかった
ユキちゃんの友達は、私一人だけだった。
男の子たちにいじめられてるのを、
私が何度も助けたっけな。
そのたびにユキちゃんは、
白くて細い腕で私に抱きついて
可愛い声で大好きと言ってくれた。
そのせいなのか、
私とユキちゃんは よく きょうだいと
間違えられるほど仲が良かった。