キーンコーンカーンコーン




放課後の静かな教室。





私、佐野穂花(さのほのか)は悩んでいた。









「あ、ほのいたー!」



「あ…うん」



「んー?元気ないじゃん。どうした?」




そう言いながらほっぺたをツンツンしてくる。








この子は幼馴染みの小鷹萩(こたかしゅう)。




背が高くて、かっこ良くて…
なーんて口が裂けても言えない。






「別にー …」



”そっか”なんていいながらニコッと笑った。



「そう言えばさ、話し合いあるらしいから来てだってよ?」



「なんの?」





「さぁ?」



ま、行こ、なんていいながら私の手を引いて歩き出す。




そんな彼の後ろ姿を見ながら、部活の音が聞こえる校舎を進んだ。