え!?瀬戸くん!?
そう心の中で呟いた時にはもう振り返っていて。
「瀬戸、くん……?」
──刹那、射るような瞳とぶつかった。
女の子の言う通り、瀬戸くんは此方に向かって歩いて来ていて、その瞳は真っ直ぐ私を見据えていた。
嘘……なんで?
向けられている視線は射るように鋭く、余りにも真剣なその瞳に目を逸らすことなど出来なかった。
私を捉えているということは考えるまでもなく私がここにいることを知ってるということで。
「っ」
それを理解した途端、カァと顔に熱が集まっていくのを感じた。
……っ、嘘でしょ?最後の最後にバレるなんて……