「はぁ……」


大会が始まって早数時間。

たった今、大会は幕を閉じた。




結果は千堂さんの優勝。

瀬戸くんは数点、千堂さんに及ばなかった。


ジャッジングは、スピード、テクニック、コントロール、スタイルなどの観点から採点するらしく、

瀬戸くんはテクニックやスピードだけなら千堂さんに勝っていたけれど、総合点になった時、僅かな差が出てしまったらしい。


でも、私の中では贔屓目とか一切無しで瀬戸くんが優勝したと思っていた。



今も瞳を閉じれば瀬戸くんの姿が鮮明に映し出される。

優勝は出来なかったけど、本当に格好良かった。


今日の瀬戸くんを忘れることは絶対にないだろう。



忘れたくても忘れられないよ。あんな格好良い姿。

私の一生の宝物になった。



……うん。私も練習頑張ろう。

そして、絶対に合格してやるんだ。