「先生・・・・・・私、慧がいないと生きて行けないの」


言いながら姫華は自分のバッグから何かを取り出して咲に渡した。


それは数枚のスナップ写真。



ベッドの上に裸の男女。

慧と、姫華だった。


ベッドの上を俯瞰で撮った様なアングル。

まるでどこかにカメラをセットして盗撮したようだった。



他人のそういうものを殆ど見た事が無い咲には、直視するのも憚られるような生々しい写真が数枚。

しかし、これ程までに直接的な性行為自体の写真であっても、なぜかあまり卑猥さが無いのだ。



若さ。

それもあるだろう。



しかしそれだけではない

目の前の少女にも、慧にも

そういったものを超越する美しさがあるのだ。


それは神々しい何か―・・





祈り。



そうだ。



これは祈りの行為そのものではないのか。




「ちゃんと見て。綺麗でしょ?」


咲は写真から目を上げて姫華を見た。