咲のマンションの前にタクシーは止まる。


「あの、今日はごちそうさまです」

「うん、また色々相談させて」

「私でお役に立つなら・・・」

「うん、よろしく。また連絡する」

「はい。おやすみなさい」


咲はタクシーを見送るとマンションのエントランスへ歩いていこうとした。

しかし、視界の端に何か・・・・誰かが映った気がして振り返る。



道路を挟んで斜め向かい側。

ガードレールにもたれて座る男の子。


「え・・・・・白河くん?」

慧は咲を真っ直ぐ見ていた。