「チュリ。動かないと、変わんないよ?チュリは待つだけでいいの?」

「……沙羅ちゃん」

「これ、チュリが私に言った言葉」


沙羅ちゃん。

わかってたんだね。

七実のこと。伊吹君のこと。私のこと。


『動かないと、変わんないよ』


2年前。私は確かに沙羅ちゃんにそう言った。


「行ってくる!」


私は部室を飛び出した。

会いたい。会いたい。


伊吹君に、会いたい。