こんな状況なのに胸はドキドキ、頭は天使の怖い顔に困惑。


「ちっ、彼氏持ちかよ」


そう言ってナンパ野郎共は帰っていった。


「大丈夫ですか、先輩?」

「え、あ、うん」


天使だ……。

じゃなくて、


「あ、ありがとう」

「いーえ」


ニコッと笑う。

やっぱりさっきのは幻覚だ。うん。

1人で納得する私。

なのに……。



「あーあ。なんでこんな地味な篠原先輩にナンパするかなぁ〜」

「…………は?」


い、今のは誰の声?


「珍しく可愛い服なんか着ちゃってさ。何?俺のため?」

「なっ……!」