「駅です」 「ええ!?」 こっから駅って、多分10分くらいあった気がするけど……? 一体何をしに? 「先輩」 すっと、伊吹君が花を差し出した。 これは……。 「チューリップ?」 チューリップは私の大好きな花。 っていうか、どちらかというとお父さんが好きだった。 「先輩の鬱金香って、チューリップを漢字にした名前なんですよね?」 「よく知ってるね」