それでも、肝心なときに涙はコントロールできなくて、止まらない。


「先輩、ちょっと待ってて下さい」

「え!?ちょ……」


引き止める間もなく伊吹君が走って行っちゃった。

普通泣いてる彼女ほったらかしにしないでしょ?

でも伊吹君の意味不明な行動のおかげで涙は一応止まった。

5分後。


「先輩!ハァ、お待たせ、しました」

「だ、大丈夫?ってかどこ行ってきたの?」