「パパ。僕、あっちに行ってるね」 「ああ、はぐれるなよ」 親父から離れて、女の子のもとへ駆け寄った。 「どうしたの?お腹痛いの?」 「違うの。お父さんがいないの」 女の子はうつむきながらそう言った。 「じゃあ一緒に君のパパを探そう!僕は翔だよ。君は?」 「ちゆり。でも、お父さんはいないの。 探しても、いないの」 「なんで?」