学校は嫌いだ。
というのも、ただ単に優希さんに会えないと言うことが一番の課題であると思う。
「おはよう!愛華!」
「おはよ、仁美。」
登校一番に挨拶してくる友人。
茶色の癖っ毛は、高い位置にちょこっとしたツインテールになっている。くりっとした目に二重な彼女は属に可愛いと呼ばれやすい。
事実彼女は、高校に通いながらもモデルの仕事をしているらしいし。
ササキ ヒトミ
笹木 仁美。それがの彼女の名前だった。
入学初日に話しかけてきた彼女は秋になった今もよく話しかけてくる。
そして、親友という関係になったのだ。
「でね~…って、聞いてる!?」
「あー、うん。なんだっけ?」
少しばかりお喋りな気がしてならなくもないのだが…
「もう!ちゃんと聞いててよ!」
属にいうぶりっ子と呼ばれるような両手のグーをしたに向けて怒っているように見せている姿も仁美にさせれば、そこまで苛立つこともない。
「全く!」
…訂正しよう。苛立ちはしないが、ウザい。
「失礼なっ!?」
「んで?なんだっけ?
お父さんがオカマだったんだっけ?」
「そうそう、お父さんがね~…って違うわ!!」
ノリ突っ込みもお手のものだった。
「そうじゃなくて、三組にいる宮本くんって知ってる?」
ミヤモト?宮本…
「知らない。」
「だよね、男に興味のない愛華が知るわけないよね!」
「失礼な。男に興味がないわけではないもの」
すると、私の言葉に驚いたような行動を見せる仁美。
「えっ!?愛華、好きな人いるの!?」
しかも大声で叫びました。
その声に周りの生徒もちらほらとこちらを見ている。
それもそのはず、どんな告白でも断ってきた絶対零度の大和撫子である北里 愛華に好きな人等という話が上がったのだ。騒がないはずもない。
そして、その言葉に人が集まるとなんだか、全てが面倒になってしまった。だからつい、といっても構わないだろう。
「そうね」
肯定をしていたのだった。