寂しそうな表情をして、俺を見つめていた。


そんな顔すんなよ。
帰りたくなくなってくるだろ。


「もう少しだけ…。」

甘える彼女に理性を保つのが厳しいな。

こんな可愛いの、龍司はいつも見てるんだよな。


美咲のことを忘れていた俺は罪悪感さえ感じなくなった。



そんな時に限って、美咲から電話が掛かってきた。


「まだ家にいるの?」

美咲との約束を思い出した。

そうだ、美咲のもとに行かないと。

ちゃんと美咲に俺の気持ちを伝えないと。



「西宮さん、ごめんね。美咲呼んでるから、帰るな。」

「そっか…そうだよね。」

悲しそうな顔をした。


そんな顔しないで。