俺は冷蔵庫からゼリーを取り出し、上に乗せていたスプーンと一緒に持って行った。


俺は食べさせようとしたが、自分で食べると言った。



「いいから。食べて。」

「うっ、うん…。」


俺は小さな口にすくったゼリーを運んだ。


「美味しい?」

俺は覗きこむと、

「美味しい♡」

笑顔になってくれた。


ドキッ。


西宮さんとずっと一緒にいたいと思った。
時間が止まればいいのにと思った。


ゼリーが完食し、薬を飲み、体温計を計った。


やっと平熱になった。


テレビを見ながら、彼女の頭をそっと撫でる。


西宮さんは何も言わず、テレビを見ていた。


夕方になり、俺は帰る準備をした。


「俺、帰るな。」

「うん…。」