俺はそう言うと、一瞬切なげに俯いた。


矛盾なんだよな。

俺のこと好きって聞くけど、
龍司は勘違いしてるんじゃないかって思う。


ずっとそばにいる龍司の方が好きだって思う。


「深田くん、来てくれてありがとう。」


ニコッと笑い、俺は胸が締め付けられた。


この時思ったんだ。

俺、自分の気持ちに嘘つけないって。
西宮さんのこと、支えたいって思った。


「熱は下がったか?」

「計らなくちゃだね。」

西宮さんは机の上に置いてある温度計を取り、脇に挟んだ。

「お昼はちゃんと食べたか?」

「食べてない。」

そういえば、冷蔵庫にゼリーがあるんだっけ?

「龍司が買ってきたゼリーは食べる?」

「うん。」