美咲は何も言ってこなくなり、
俺は電話を切った。


この重苦しい空気に耐えられなかった。



西宮さんを見ると、まだ頬が赤くなっていた。


俺は彼女の彼氏ではない。

だから、触れていいのか分からなかった。


「別にいいよな。」

誰かに問いかけたわけでもないけど、そう言った。


西宮さんの額にある冷えピタに触れると、生ぬるく、乾いていた。


俺は龍司に聞いた冷えピタなどの場所を知り、新しい冷えピタを取り出した。


それを西宮さんの額に付けると、ピクッと動いた。


やべーっ。


俺、起きた後のこと考えてなかった。


いっそのこと帰るか?
いや、でも頼まれたことはやり遂げないと。


「んー…」