マンションに着き、西宮と記された表札のところに来た。

「ここがみずきの家だ。」

閉められた玄関のドアを開く。

また更に個室のドアを開くと、
女性らしく、清潔な部屋があった。


そのベッドに寝ているのは西宮さんだった。


「みずき、今寝てるから。」

「そっか。熱ほどうなの?」

「下がってはきたけど、まだだな。」

「そっか。」


シーン…。


俺はどうしたらいいんだろう?

あんなこと言われて、わかんねぇや。


「みずきのこと、よろしく。」

「何言ってんだよ。龍司が見なきゃダメだろ。」

「俺じゃない方がいいんだよ。」

「なんで…」

「こうして寝てる時、みずきは俺じゃなく、お前の名前を呼んでいた。」