そんな俺は授業に集中しようと思い、携帯を机の中に入れた。


でも、いくら授業を受けてても、西宮さんのことが気になって仕方がなかった。



視界に入るのは美咲の姿。

彼女を裏切ってしまう気持ちが支配する。
俺はいったい何をしたいのか分からなくなってきた。


「バカみたい。」

俺は先生を呼び、
「体調悪いので、保健室に行きます。」

そう言って出た。

保健室は靴箱の近くだから、バレることは少ない。


心より、体の方が正直だとよく聞くけど、その通りだと思う。


俺が先生を呼んだ時、美咲は俺を見た。

どんな気持ちだったのかは分からない。
多分、俺が体調悪いなんて嘘だと知っている。

だから、こわいとも思った。