「ねーねー、どこ中ー?」


「○○中だよ~!」


「あっ、久しぶりー!」


「3年ぶりだねー」


教室の所々から聞こえてくる会話。


コミュ力高い人っていいなぁ、
私なんか、私なんか...っ!

なんて、どう足掻いてもしょうがない


自分から話かければいいのかもしれな
いけど、私は結構人見知りするタイプ
だから誰かが話しかけてくれるまで待
っていた。

教室の隅で1人でいるのってこんなに
寂しいものだったんだな。

中学の頃は、ギャーギャー言って廊下
走り回ったり、友達もたくさんいたか
ら全然こんな気持ちになることなんて
なかった。

すると、1人の凄く重そうな女子が話
しかけてきた。


「ねえ、もしかして美音ちゃん?」


「そうだけど....?」


見たこともない子がいきなり私の名前
を呼んできたので少し驚いた。

あっちが私のことを一方的に知ってい
るだけ...?
いやでも知り合いだったら失礼、だよ
ね...


その子は、思い出せず首を傾げた私を
見て少し笑った。


「ほら!私私!小学校のときに一緒だ
った!」


「.....ああ!まみちゃん!」


あまり好きじゃなかった子だ。

そんなに絡んでなかったからなかなか
思い出せなかったのか。見た目も変わ
ってるし。なるほど納得。

まみちゃんは普通に話してたら普通な
んだけど、仲良くなりすぎると凄く鬱
陶しい子。らしい。

あと、私よりも口が悪い。らしい。

まあ全部友達から聞いた話なんだけど

偏見は駄目だと思うけど、やっぱりそ
ういう目で見ちゃう。

しかも言っちゃ悪いけど、体格が素晴
らしい。
普通に歩いてたら床が揺れる。本当に。


「よかったー、知り合いがいて」


だけど、私は少し安心した。
周りは知らない子ばかりだったから。


「他の中学の子はいないの?」


「うん、私だけ....まみちゃんは?」


「うちの中学からは結構来てるよ♪
このクラスにも8人ぐらいいるはず」


「そ、そうなんだ...」



その瞬間、私は思った。


「(この子、私と同じぼっちだ...!)」


このクラスに何人か同中がいるにも関
わらず、他の子と話さず私に話しかけ
るってことはそうなんですよね。


やった!ぼっち仲間!!!


なんて心の底から喜んでいる最低な私
がいた。


この際だ。
まみちゃんの良いところを見つけて仲
良くなろう。
ぼっちよりかはましだもんね。