「新入生代表、挨拶」



いよいよ今日は入学式。
橋本美音 (はしもとみお) 。15歳。
今日から高校生になりました。


人生で一度きりの高校生活。
たったの1年間しかない。

絶対楽しむって決めたんだ。


私は椅子に座ってぼーっとしながら話
を聞いていた。
陽の光が当たってぽかぽかして気持ち
いい。

暖かくて、でも眩しくて目がチカチカ
したので目をステージの方に向けた。


「桜が舞い落ちる中、私たち...」


代表の男の子が、自分で考えたらしき
文を読んでいる。

すごいよなあ。

この高校はまあまあ偏差値が高い。
代表って、入試で1番だった子 ...だよ
ね。
だから、代表になった子は相当頭がい
いはずだ。

そして。


「(なかなかのイケメンだ...)」


顔が整っていて背が少し高くて何ヶ月
かしたら彼女が出来てそうな男の人。
でもかっこいいけど好きになるほどで
はないかな。

ここだけの話、私は結構惚れやすい。
今までで何人好きになったか。

それが果たして本当に恋なのかは知ら
ないけど。



パチパチパチパチ....


「 ...では、新入生は退場して、各クラ
ス担任の先生に従って行動してくださ
い」


そんなことを考えているともう入学式
が終わってしまった。

体育館から出、全然知らない子ばかり
の中にまざって教室に向かった。
知らない子だからか、話したら五月蝿
くなって周りに迷惑になると思ったの
か、話もせず凄く静かだった。



私は、これからの高校生活を想い描き
、教室に入っていった。