次の日の朝、私は机の上で一生懸命何かを作っている親友の姿を見た。
「あ、奈々。おはよー」
「…おはよ、何やってるの?」
「アクセサリー作り!楽しいよ!」
親友の後藤夏菜(ごとうかな)が作っているものはアクセサリーらしい。
ブレスレットかな、これ。
ん?
出来上がったのが一つと……夏菜が今、もう一つ作ってるから…
「もしかして、私に…」
「ざんねーん‼これは彼氏にあげる用でーす」
ですよね、夏菜彼氏いるし。
夏菜は隣のクラスの男子と付き合っているらしい。
ま、相手がどんな人だとかは全く興味ないんだけど。
「最近、奈々が彼氏とイチャイチャしてて暇だからさー」
え、待って。いつ私と逢沢がイチャイチャしたよ。
「夏菜、前にも言ったじゃん。これは協定なの、私と逢沢が平和に暮らすためのね」
「でも、奈々には何の効果もないよね?相変わらず呼び出しばっかだしー!それなのに逢沢くんと一緒にいることやめないってことは、逢沢くんに興味持ったからなんじゃないの?」
興味?
そんなものは今まで一度も持ったことがない。
大体、まずね……
「逢沢って身長いくつ?」
「176」
逢沢から私に全く質問が来ないんですよ‼
それどころか話かけてくれないんですよ‼
愛のないカップルってこんなんなんだね。
今更だけどちょっと後悔。
「ねえ」
私は卵焼きを頬張る逢沢に尋ねた。
「私と付き合って楽しい?」
逢沢は私の言葉に特に変わった反応を見せず、卵焼きを飲み込み答えた。
「楽しくない」
「…………」
なにこのグサッと来る感じ。
いやいやなんとなくわかってたけどさ、そう言われることは。
てゆーか待って。ほんと、何で私達付き合ってんだ?
愛がないと倦怠期が来るのも早いの?
そもそも、これは倦怠期なの?
いつも通りなんだけど。