私は意味が分からず首をかしげた。


「どういうこと?」

誰かに協定を組もうなんて初めて言われたよ。

まあそりゃそーだよね、総理大臣じゃあるまいし。



「恋人協定、組もう」


彼は私の目を見てもう一度言った。


「………。いやいや分かりませんよ」

さっきの言葉に恋人がついただけやん。


「だから…俺とあんた、似てるだろ。状況が」

状況?

「そうなの?」

ごめん、全然よくわかんない。

「え、なんでわかってないの」

ごめん、もう何言ってるのか全然わかんない。



「……じゃあ少し前、俺があんたを呼び出したって聞いたときどう思ったの」

「名前も名乗らない失礼なやつだな」

「あんたは変人か」

「なんでよ!?」


会って5分もたたずに変人呼ばわり!?

そろそろこの人死刑にすべき!?


「あんたぐらいモテてたら、また告白か…とかなんとか思ったんじゃないの!?」

え、なんでそこで声はりあげるの?

「てゆーかモテるってなに。全然そんなことないけど」

まあちょくちょく呼び出されたりはするけどさ。


「……自覚ないのかよ」

その後、めんどくせ…と彼が小声で言っているのが口の形から分かる。



「あーもーなんなの!?最終的に言いたいことは何!?」

私も声をはりあげると彼は意を決したように言った。






「だから‼告白されんの疲れたから俺と付き合って‼」