ーーー次の日



「遅い」


「すんまそん」


電車の遅延で待ち合わせに20分程遅刻してしまった。

理由を話して納得してもらえたものの


「………」

ちょっと怒ってるみたいにみえる。



「…で、図書館はあとどのくらい?」


「もう着くよ」



記念すべき初デートの場所は隣町の図書館。

ちなみに行き先を決めたのは逢沢。


何で図書館なんだろうと思いつつも、デート場所をどうするか話し合っていたときに「何でもいいー」と言ったのは私なので行き先にケチもつけにくい。


でも、まさか図書館とは……。

逢沢って実は昼休みとかに本読んでるような人だったのかな。



「ちょっと、何ボーッと歩いてるの」


「え、いや」


「ついたよ、ほらここ」


逢沢が指差す先を見るとそこには大きな図書館が。


ここまで来て今更なんだけどさ

私、学校の図書室もほとんど利用しない人なんだよね、あは。


「……テンションあがるよね」

「え。うん」

ごめん、全然あがらない。


でも。やっぱり逢沢、本とか好きなんだ。



どうしよう。


私とは真逆だよ。






シーーーーン


それにしても静かだな、おい‼

だからあんま好きじゃないんだよ‼図書館‼


「…どう?」

心の中で「これは極力喋れねーぞ‼」と叫んでいる私に突然逢沢が問う。


どうって言われても…って感じだけど。

「…静かだね」

これぐらいしか言えないっす。