あれから1週間。


香苗とも喋れず、クラスの女子は無視。



唯一、澪だけはあたしに気を遣ってくれている。
まぁ、気を遣うって言ってもオロオロしてるだけだけどね。


でもそれだけでも十分心の支えになった。





でもそんな澪も手放さざるを得なくなる。



「マリアさん...」


放課後、日誌を書いていて遅くなったため澪に先に帰ってもらったら
昇降口にはマリアさんがいた。



「遅かったわね」

「日誌を書いていたので。何の用ですか?」


日頃のストレスもあり、少し口調がきつくなってしまった。



「ふふ...千聖さん。澪を解放してくれる?」



は?解放?



「あなたは知らないでしょうけど、澪はオーストリアではとても有名なのよ。
もちろん、私たちは澪がより良いバイオリニストになることを願っているわ。
それなのにあなたが付きまとっているととても迷惑なのよ」