欲張り…?

「ちーちゃんはあまり自分のためにお金を使いたがらないよね。
でも、欲しい物は欲しいって、そう思わなきゃ。
おばさんも心配してたよ。我慢しすぎだって」


欲しいって、思うよ…。

澪…。


「これを期に、色々話そう?」

なんか澪、大人だね。


「ちーちゃんはなんで僕を避けてたの?」

なんか大人を目の前にした子供のように
スラスラと気持ちが出た。

「マリアさんと、付き合ってるのかなって…。文化祭の日にマリアさんが"好き"って言ってたし」


そう言うと澪は目を見開いて、
はぁ、とため息をついた。


「なんだ…そんなことか…。
僕とマリアは何もないよ。オーストリアで浮いてたときに話しかけてきてくれた恩人だよ」


え…じゃあ…

「付き合って、ないの?」

「ないよ」

「はあぁぁぁぁぁ」


でっかいため息が出た。

本当、安心したよ。
聞いてよかった…。



「れ、澪は?なんで?」