ん……?



「お出掛け……?」

「そう、お出掛け」



余程怪訝な顔をしていたのか、俺の顔を見た美生がクスクス笑う。

謹慎を言い渡されたことは、昨日伝えていた。



「出掛けるって……どこ行くんだよ」

「んー、どこかある?」

「決めてねえのかよ」

「だって今思いついたんだもん」



満面の笑みを浮かべる美生に、溜め息すら出ない。



「謹慎の意味、わかってる?」

「わかってるよ、それくらい」

「出掛けてんのバレたら、ただじゃ済まされねえんだけど」

「バレなきゃいいんでしょ?」



……そうだった。

美生って、こんなヤツだった。

出会ったときもそうだったじゃないか。