美生は昨日の気まずさなんて感じさせない明るさで、呆気にとられた俺を余所に朝食を机に並べていく。



「昨夜はご飯食べてないよね?朝ご飯、もう食べられる?」

「……あぁ」

「じゃあご飯よそってくるね」



一昨日までと、何も変わらない。

明るい笑顔も、何もかも。



「お待たせ!」

「……いや。ありがとう」



2人揃って席に着く。

美生が手を合わせたのを見て、俺も箸を手に取った。





茶碗の中のご飯があと一口程になったとき、そうだ、と美生が声を上げた。



「ねぇ、千速くん」

「……ん?」

「お出掛けしようよ!」