それがわかってるから悔しくて、なんだかとても悲しくて、こんなことを言ってしまった。

美生の気持ちが本物だって、何よりもわかっていた筈なのに。



「……っ!」



ごめん、美生。

誰よりも優しい君に、そんな顔させたかったわけじゃねぇんだ……。





「じゃあ……おやすみ」

「うん……おやすみ」



美生の部屋を出るとき、お互いにぎこちなかった。

2人の間を流れる空気が、そうさせた。



今日1日が目紛しく過ぎて、頭がついていかない。

ただ一つ言えるのは、最悪の日だったってこと。



「馬鹿だ、俺……」



ベッドに体を沈め、顔を覆う。