止まらなくなった雫に情けなさを感じながらも、どうすることも出来なくて。

ただ自分がちっぽけな存在なのだと、そんなことを痛いくらいに突きつけられる。



「……千速くんにはまだ、しなきゃいけないことが沢山あるよ」

「……ねぇよ。俺にはもう、何もない」

「ある。千速くんを必要としてる人、気付いてないだけでいっぱいいる」

「いねぇよ、そんなやつ。どこにも」

「いるよ。ここに、私がいる」



その言葉に、何かが切れた。



「勝手なこと言うなよ!お前もどうせ、いなくなるくせに……!」



考えるよりも先に口を衝いて出た言葉は、俺の心を締め付けた。



美生がここにいるのは、親と喧嘩したから。

俺の傍になんて、ずっといない。