悲鳴にも似た制止の声は、聞こえてはいるものの理解することが出来なくて。

感情はもう、ぐちゃぐちゃだ。



笑っているのか、それとも泣いているのか。

それすらももう、わからない。



──ガラッ……



「お前等何してる……!」



俺の理性は、息を切らして教室に駆け込んできた担任と学年主任の声に引き戻された。





雨が強さを増した。

色取り取りの傘が花開く中、1人雨に打たれる俺の姿は、端から見た目にはどう映るんだろう。

手に巻かれた包帯も、制服も、ずぶ濡れだ。



「……」