言葉が響いた教室は、一層騒ついた。

それを見たそいつは薄笑いを浮かべて、次の言葉を並べる。



「職員室で先生が話してるの聞いたんだけどさ!暴力事件かなんかで、決まってた推薦取り消されたんだと!」




ふざけてるのは──お前の方だ。



「きゃぁぁぁぁぁ!」



次にこだましたのは、バキッという鈍い音と、女共の甲高い叫び声。

拳を走る鈍痛が、理性を更に奪っていく。

倒れ込んだ男に馬乗りになり、頬を殴りつけた。



「お前に……お前なんかにわかるわけねぇ……!」



俺の痛みを。

あの日の絶望を。



「あ、綾瀬君、もうやめて!」

「綾瀬!」