ゆっくりと顔を上げると、険しい顔つきの男子生徒か俺を見下ろしている。



「……は?」



敵対心剥き出しのそいつに向けていい顔をする広い心なんて、生憎持ち合わせていない。

それを悟ったのか、そいつもまた、更に眉間の皺を深くした。



「ちゃんと仕事しろよ。なんで芹沢だけやってんだよ」

「……何言ってんだ、お前。お前には関係ねえだろ」



俺達の言い争いに気付いたクラスメートが口を閉ざし、こちらを見ているのがわかる。

芹沢も空気の変化を漸く察したらしく、作業を止めた。



「関係なくねーよ!いつもどっか行ってるけどさ、仕事やる気あんのかよ」



……めんどくせ。