あ……やっぱり?

つったって、就職したくないから取り敢えず進学って書いただけだし、大学のことなんかこれっぽっちも知らねえし。



「……俺が行けそうなとこ、教えてもらえませんか。大学でも専門でもいいんで」

「それは構わないが……その中からちゃんと考えるんだぞ」

「……はい」



今までより少し柔らかい表情をした担任に一礼し、俺は踵を返して歩き出した。





鞄を取りに教室に戻ると、そこにはもう誰の姿もなかった。

ぽつんと置かれていた鞄を背負い、照明を落とす。



「……」



扉を施錠しなくていい我が校のシステムに感謝しつつ、昇降口へ向かう。