向こうから話題を振ってくることもなければ、俺から絡みに行くことも勿論ない。

時々、この状況を心配した芹沢の友達がやってきたけど、見向きもせずに俺はひたすらペンキを塗り続けた。



つまらない作業。

文化祭なんてどうでもいいし、作るべき思い出もない。

こんな行事、青春だとかそんな青臭いことを言ってるヤツ等が勝手に楽しむだけだろ。



「……」



準備でも本番でも、きっと楽しいなんて感情、抱かない。

教室を回るくらいなら、空き部屋で寝てる方が何十倍もマシだ。



「……はぁ」



クラスメートとは関わらねえし、担任には怒鳴られてばっかだし。

俺は一体、何しにここに来てるんだろう。