戸惑う美生の腕を強引に掴み、早足で歩き出す。
アイツがどんな顔をしてるかなんてわからなかったけど、振り向く勇気はどこにもなかった。
「ちょ……っ、千速くん!」
「……」
「痛いよ……!」
悲鳴にも似た声にはっとして、漸く手を離す。
何となく気まずくなって、美生から視線を逸らした。
俺は一体、何をしてるんだろう。
逃げて逃げて逃げて──仕舞いには巻き込んだ。
「……悪い」
「……うん」
気が付けば喧騒とは無縁の、人通りの少ない住宅街まで歩いてきていた。
それは一体幸か不幸か。
この重苦しい空気を他人にさらすことはないけど、そんな状況で2人きりは息苦しい。
アイツがどんな顔をしてるかなんてわからなかったけど、振り向く勇気はどこにもなかった。
「ちょ……っ、千速くん!」
「……」
「痛いよ……!」
悲鳴にも似た声にはっとして、漸く手を離す。
何となく気まずくなって、美生から視線を逸らした。
俺は一体、何をしてるんだろう。
逃げて逃げて逃げて──仕舞いには巻き込んだ。
「……悪い」
「……うん」
気が付けば喧騒とは無縁の、人通りの少ない住宅街まで歩いてきていた。
それは一体幸か不幸か。
この重苦しい空気を他人にさらすことはないけど、そんな状況で2人きりは息苦しい。