『お2人の末永い幸せをお祈りいたしまして、私のお祝いの言葉とさせていただきます。本当におめでとうございます』
桜井のスピーチに、会場全体から拍手が送られる。
新郎新婦の共通の友人のスピーチなんて大役を快く引き受けてくれた桜井も流石に緊張していたらしく、礼をしてからホッとしたようにこちらを見た桜井。
ありがとう、と口パクで伝えると、それを読み取った桜井は満面の笑みでピースをこちらに向けた。
「スピーチ、桜井君に頼んでよかったね」
「あぁ、そうだな」
「後でもう一回お礼言わなきゃね」
そう言って幸せそうに笑った栞菜。
何よりも大切なこの笑顔も、桜井のピースサインも、会場に溢れる祝福も全部──あの日、痛みを経験したから手にすることが出来たんじゃないかって、そう思えるようになった。
桜井のスピーチに、会場全体から拍手が送られる。
新郎新婦の共通の友人のスピーチなんて大役を快く引き受けてくれた桜井も流石に緊張していたらしく、礼をしてからホッとしたようにこちらを見た桜井。
ありがとう、と口パクで伝えると、それを読み取った桜井は満面の笑みでピースをこちらに向けた。
「スピーチ、桜井君に頼んでよかったね」
「あぁ、そうだな」
「後でもう一回お礼言わなきゃね」
そう言って幸せそうに笑った栞菜。
何よりも大切なこの笑顔も、桜井のピースサインも、会場に溢れる祝福も全部──あの日、痛みを経験したから手にすることが出来たんじゃないかって、そう思えるようになった。