「んなわけ……ねえだろ」

「そっかそっか。千速、昔からそういうの興味なかったもんなぁ」



心から嬉しそうに俺との再会を喜ぶソイツに、不自然な笑顔しか返すことが出来ない。



「今は?なんかやってんの?」

「……特に」

「なんか見つけろよ、楽しみ。何か他に──野球以外にもあるだろ」



これはコイツなりの気遣いなんだろうけど──逆効果だ。



どす黒い感情が胸の中を渦巻いていく。

他に……?

一体何をどうすれば、人生を賭けてでも追いかけたいと思う程の夢を超える何かを見つけられるんだよ。



「……悪い、用事思い出した。行こうぜ、美生」

「えっ……あっ」