「私、朝に言ったよね。幸せでいて、って」

「……ん」

「絶対ぜったい……幸せになって。つらいことがあっても、ひとつずつ確実に乗り越えて」

「……っ」

「約束……してくれる?」



返事をしたいのに喉がつっかえて言葉が出なくて、代わりに何度も何度も頷いた。



約束する。

もう、逃げ道を探すのはやめだ。



「美生」

「……ん?」

「またいつか……会える?」



問い掛けに、美生は少し間をおいて頷いた。



「会えるよ。千速くんが信じていてくれれば……きっと、会える」