次から次へと流れる涙が、頬を伝う。



60年もの時を超えて俺を救ってくれた、その優しさに。

俺が死んでからもずっと俺を忘れないでいてくれた、その想いに。



今ここにいる俺も、美生が生まれた世界で死んだ俺も、知らないうちに誰かに大切に思われてたんだ。



「ふっ……あぁ……っ」



この胸の傷は、一生消えない。

だけどいつか、全てを懐かしむことが出来るようになるのなら……もう一度、ここから前を向いてやり直す理由になるのかな。



「……千速くん。もう……時間がない」

「……う、……ん……」



わかってる……わかってるよ。

だから君は、嘘を吐いた。