諭すような視線を向けられ、咄嗟に脳裏に思い浮かんだのは、桜井達の姿。



「10メートル先を歩く人と数秒後に知り合ってるかもしれないし、10年後には大切な人になってるかもしれない。何が起こるかわからない毎日の中で、希望は確実に芽生えると思うから」

「……っ……」

「頑張る千速くんの姿を、絶対誰かが見ててくれる。そのことに気付いて。見失わないで」



真っ赤な太陽に目を細めた瞬間、美生の瞳から涙がこぼれ落ちた。



「生きて、千速くん……!」



ストレートに、俺の心の奥深くに突き刺さった悲痛な願い。

誰が聞いても、嘘だなんて疑うことのないような。



「……っうぁ……!」