一瞬、心臓が止まったかと思った。



「何だ……これ……」



拾い上げたのは、一枚の写真。

それだけならよかった。

何の違和感もなかった。

問題は、そこに写るもの。



「これ……俺が今日貰った……」



間違いなく今日、担任の手から渡された文化祭の写真。

みんなが衣装に身を包み、笑っている──けど。



「微妙に……違う?」



俺が貰ったのとは少し違うことに気付く。

みんなの立ち位置はほぼ同じ。

着ている服も、変わりない。



ただ違うのは、桜井のいる場所と──