俺の手元にも届いたそれには、静止画からでも楽しさが伝わってくるような笑顔がいくつも咲き誇っていた。

そしてそれは、俺も例外ではなく。



「やっぱり綾瀬君、吸血鬼似合ってたよね」

「ほんと!すごい人気だった!」



フランケン姿の桜井に手を引かれた俺が困ったように、だけど楽しさを滲ませて、写真の右端に写っている。



俺、こんな顔出来たんだ……。



「イケメン吸血鬼ってええよな」

「……」

「ってことで、卒業前にもう一回やっとく?吸血鬼とフランケン」

「無理」



相変わらずの俺の返答にも、いつも通り全く動じない。



俺達はこうやって歳を重ねていくのかな。

失いたくないものが少しずつ増えて、大切に大切に育んで。



だけどそれを手放すことを余儀なくされたとき──