また、憂鬱な1週間が始まりを迎えた。

もうすぐ行われるテスト返却に、殆どのヤツが眉を下げている。



「……始まってもないのにそんな落ちんなよ」



俺のその言葉は、机に突っ伏したまま動かない桜井に投げ掛けたもの。



「……だって」

「お前頑張ってたじゃん。少なくとも俺よりは。志望校だって射程圏内だろ?」

「それは……そうやけど」



うー、と唸りを上げる桜井に、俺はどうすることも出来なかった。

正直、俺も余裕なんてないし……。



「……そう言えば。志望校はH大だろ?学部は?」

「教育」

「え、教師になんの?」

「まぁ……」