これまでは寝るとき以外、大抵リビングにいた美生。

なのに今日は、晩飯を食べているときも風呂から上がったときも姿を見なかった。

そんな小さなことから、お互いに感じている気まずさが伺える。



どうすることが正解だったんだろう。

あのときの俺には、ああすることでしか彼女を引き留められなかった。



……いや、引き留められてすらいないのか。



このままじゃ本当に美生を失うことになる。

もう二度と、美生に会えなくなる。



タイムリミットは刻一刻と迫っているのに、それを阻止する術を見つけることが出来ないまま、ただ時間だけが過ぎた。