関西弁が飛び交う中で、俺は1人置いてけぼり。

親戚付き合いなんてないに等しかったから、叔父と甥である2人の仲が特別いいのかそうでないのかなんて、わかる筈もなかった。





それから暫くして出てきたのは、本当にお金を払わなくていいのか、と思わず問うてしまう程の豪勢な料理だった。

食べている最中も2人のお笑いのような会話は続けられ、店内には終始明るい空気が流れていた。

幸いにもその瞬間だけは、嫌なことも全て忘れられたんだ。





「じゃあまた明後日、学校でな」

「……ん」



駅前で別れを告げ、踵を返して歩き出す。

が、背後から桜井の声で名前を呼ばれた。

ゆっくりと振り向くと、桜井が真剣な顔をしてそこに立っていた。