え、ちょ、待っ……!



「俺今日手持ちあんまないから……!」

「金なんかええよ!奏多なんかしょっちゅう集りに来るし!」

「え、でもそんな……」



どうしたら、と助けを求めるように桜井に視線を向けると、彼はニカッと笑って。



「この人、俺の叔父さん。店来たらいっつも美味いもん作ってくれんねん」

「奏多にはそろそろ金払ってもらわんとなぁ」

「えっ、嘘やん!」



テンポよく繰り広げられる会話に、小さな笑みが漏れる。

それに気を良くしたのか、2人はコントのような会話を続けた。



「ったく、いつからこんな図々しなったんや?」

「前から。この性格は親父譲り。イコールおっちゃん譲り!」