ジロ、と美生を睨んでやると、美生はわざとらしく咳をして誤魔化そうとした。

が、バレバレなのは美生もわかっているらしく、上目遣いで舌をぺろっと出して恥ずかしそうに笑っている。



美生と過ごす、何気ない時間。

この幸せな瞬間が、永遠に続けばいいのに……なんて。



「……美生はよく観んの?恋愛映画」

「うん、観るならラブストーリーが多いかな。好きな俳優とか出てたら、友達と騒いだりして観てるよ」

「へぇ。好きな俳優とかいたんだ」

「そりゃいるよ!」

「よし、じゃあ当ててやる」



そう前おいて、人気のある俳優の名前を挙げていくけど、美生は全て首を振った。



「絶対当たんないよ」

「絶対?」

「絶対」