ついさっき見た恋愛映画のタイトルを口にすると、聞いた美生は少し意外そうな顔をした。

わかってるよ、恋愛映画なんてガラじゃないことくらい……。



「……言っとくけど、暇潰しだからな。時間が合うのがそれだっただけだからな」

「ふふ、わかってるよー。どんなお話だったの?」



身を乗り出して聞いてくる美生に、映画の大まかな設定と流れを説明する。

聞き終えたときの美生の顔ったら。



「その映画、すっごくおもしろそう!」

「女子は好きそうな話だったな。……実際、観に来てたのは女子かカップルばっかりだったし」



そんな中に俺が1人でいるところを想像したのか、美生が喉を鳴らす。