リビングの扉を開け、電気をつけた刹那、

──パァンッ……

小さな破裂音と共に、美生が姿を現した。

その頭には……パーティー用の帽子?



突然の出来ごとに言葉を失う俺に、美生は満面の笑みを向ける。



「誕生日おめでとう、千速くん!」



え……?



「本当は一昨日お祝いしたかったんだけど、千速くんテストだったからさー」

「一昨日……そっか、俺、誕生日……」

「ま、まさか気付いてなかったの……?」



嘘、とでも言うように俺を見る美生の顔が滲む。